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読了記録

2012年4月24日 (火)

「The Corpse That Couldn't Keep Cool」John K. Butler ☆☆

「Dime Detective, Mar 1942」掲載

 Steve Midnightシリーズ第九作目。

 ミッドナイトを指名して呼び出した客は新聞記者だとなのり、10年前の大恐慌のブラックマンデーに客の金30万ドルを持ち逃げしようとして、飛行機墜落で死んだ男はまだ生きていると言った。最後にその男を乗せたのがミッドナイトのタクシーだったのだ。面通しのために、生きていた男をミッドナイトのタクシーに乗せると、男は恐慌をきたしてタクシーの中で自分の首を掻き切って自殺してしまう。記者と名乗った男が見つからなくなり、警察はミッドナイトが殺人をごまかそうとしたのだと疑う……てな話。
 あいかわらずタクシーものらしい事件を、よくもまあぁこう次々と考えられるものだなぁ、と感心する。警察に疑われている中で探りまわっていると、ますます立場があやうくなるというお決まりの展開がスピーディに展開して、あれよあれよという間に結末まで突っ走ってしまう。まあ、犯人は予想通りなわけですが(^^;)。これでこのシリーズも終わりかぁ。さびしいな。☆☆。

2012年4月17日 (火)

「Death and Taxis」John K. Butler ☆☆★

「Dime Detective, Jan 1942」掲載

 Steve Midnightシリーズ第八作目。

 ミッドナイトのタクシーを訪ねてきた赤ん坊を抱えた女は、運転手仲間で親友のソクラテス・スミスの妻だった。夫が時間通りに帰ってこないと不安がる女を乗せて捜しに出たミッドナイトは、射殺死体となった友人を見つける……てな話。
 ミッドナイトが義憤にかられて調査を始めると、ソクラテスの常連客だった奇妙な秘密をもった百万長者とか、肉屋のようにマッチョな前衛芸術家なんてのが出てきて、退屈してる暇もなく物語は進み、アッという間にクライマックス。実は巻頭に登場した赤ん坊を連れた不安そうな新妻っていうのは、その後の展開には一切かかわってこない。つまりは悲劇の演出ためだけの存在なんだから、あざといなー(^^;)。とはいえ、そうと気がつくのは、否応なく盛り上げられてしまった気分のままに最後まで引っ張られてしまった後だったりするんですよね。あいかわらず達者なエンターテナーだなぁ、と感心する。☆☆★

2012年4月10日 (火)

「The Hearse From Red Owl」John K. Butler ☆☆

「Dime Detective, Sep 1941」掲載

 Steve Midnightシリーズ第七作目。

 その晩のミッドナイトのメーター記録によると8回客を乗せたことになっていた。しかしミッドナイトには7回しか乗せた覚えがない。配車主任のリーガンはごまかしだと激怒し、ミッドナイトはたかが9セントのことだとあきらめて、自腹を切って穴を埋める。その後、殺人現場でミッドナイトのタクシーが目撃されていたことが分かり……てな話。
 殺人とメーターの件のつながりは一目瞭然なのに、ミッドナイトがいつまでもそれを問題にしないので、序盤少々いらいらさせられるかも。でも中盤以降の展開はいつものようにスピーディーで、個性的な登場人物にもことかかず、面白い。にしても、これだけたびたび困った面倒事に巻き込まれているというのに、似たような出来事の繰り返しがないんだから感心してしまう。タクシー運転手つう商売は危険がいっぱいなんですねぇ(^^;)。☆☆。

2012年4月 3日 (火)

「Dead Man's Alibi」John K. Butler ☆☆☆

「Dime Detective, Jul 1941」掲載

 Steve Midnightシリーズ第六作目。

 ミッドナイトは強盗に襲われた。タクシー稼業につきもののリスクで、騒ぐほどのことではない。ただし、その次の日、強盗犯が悔い改め自首しようとしているからと言われて呼び出されるなんてのは、かなり珍しい経験だ。しかも、出向いてみたら当の強盗犯の他殺死体に出くわしたとなると話はかなり面倒なことになる。どう見たって、強盗から金を取り返そうとしたミッドナイトが犯人だ……てな話。
 元空軍パイロットの英雄で今は大手航空機メーカーの保安主任なんてのが出てきたり、新婚直後にトラックに轢かれ下半身を失った結果、花嫁の父親であると偽って暮らしながらも献身的に尽くす夫なんてのもいたりで相変わらず面白い。ラストに印象的な見せ場も用意してある。秀作。☆☆☆。

2012年3月27日 (火)

「The Killer Was A Gentleman」John K. Butler ☆☆☆★

「Dime Detective, Mar 1941」掲載

 Steve Midnightシリーズ第五作目。

 その夜の客は記憶喪失で、自分の名前もわからなかった。財布は無く、手がかりはポケットに入っていたメモだけ。しかしそのメモによるとこの客は殺人犯なのかもしれない……てな滑り出し。
 面倒事には巻き込まれたくない、とは思うものの、この客のジェントルマンぶりについほだされて、結局警察に通報しないまま手を貸すことにしてしまう、てな感じにミッドナイトの男っぷりで魅せるエピソードが巧妙に描かれていて、しょっぱなから読者のテンション上がりまくり。その後、この客に恩義を返すためにミッドナイトを手を貸す盲目の元ボクシングチャンプとその飼い犬なんていう、とっても魅力的な登場人物も出てきて、読みどころ満載。スピーディーな展開もあいかわらずで、これは傑作といっていでしょう。☆☆☆★。

2012年3月20日 (火)

「The Saint In Silver」John K. Butler ☆☆★

「Dime Detective, Jan 1941」掲載

 Steve Midnightシリーズ第四作目。

 反対車線を猛スピードで逆送していた酔っぱらい。そいつとその連れのブロンド美人は宝探しゲームの途中だった。寝込んでしまった酔っぱらいの代わりにブロンドを連れて墓場へと宝探しに行ったスティーブは、墓所の暗闇の中で暴漢に襲われる……てな具合で始まる。
 お話はスピーディに展開し、次から次へとつるべうちのアクションが続く。読み終わってから振り返ってみれば。結局たいした内容ではなかったとわかるんだけれど、読んでる最中は退屈どころか、話について行くだけでせいいっぱいで、あれよあれよという間にラストまでたどりついてしまう。アクション小説の鑑だな。☆☆★。

2012年3月13日 (火)

「Hacker's Holiday」John K. Butler ☆☆

「Dime Detective, Oct 1940」掲載

 Steve Midnightシリーズ第三作目。

 ナイトクラブの歌姫はミッドナイトの馴染みの客だった。ある晩家まで送っていったミッドナイトは、彼女に復縁を迫ってつけまわしていたゴリラのような元ボーイフレンドに殴られる。その晩がその歌姫の生きている姿を見た最後になった……てな話で、最初にちょっとしかでてこないヒロインがすごくうまく描写されている。生活に疲れていて、でも「いい女」っぽさがどことなく感じられて、存在感があって、すごくいい!
 話は予想の付かないような奇妙な展開をみせ、退屈しなくて面白い。うんいい感じだ。☆☆

2012年3月 6日 (火)

「The Man From Alcatraz」John K. Butler ☆☆☆

「Dime Detective, Jul 1940」掲載

 Steve Midnightシリーズ第二作目。

 シカゴ行きの列車に間に合わせたいと大急ぎの美女の荷造りを手伝ったミッドナイトは、クロゼットに隠された死体を見つけた。事件の背後には、アルカトラズから脱獄したカゴの大物ギャングの存在が……てな話で、ミッドナイトは報奨金目当てで動く。
 タクシー運転手が主人公だと、探偵行為の動機付けが難しいな(^^;)。なかなか先の読めない展開が面白く、最後はコテコテの浪花節的オチに行き着く。昔の日活アクション系のキャストでやったらはまりすぎるくらいかも(^^;)。面白い。☆☆☆。

2012年2月28日 (火)

「The Dead Ride Free」John K. Butler ☆★

「Dime Detective, May 1940」掲載

 Steve Midnightシリーズの第一作目。まだButlerも勘がつかめていないのか、シリーズ全体の中では最低レベルくらいの出来という感じです……

 ミッドナイトのタクシーを拾った人物は怪しげなインド人風の装いだった。実は有名な奇術師で、ミッドナイトに下町の仕事場から郊外の邸宅まで仕事道具のミイラの入った棺桶を運ばせる。この棺の中から美女の死体が見つかり……てな話。
 あわやWeird Menaceか? てな出だしですが、まっとうなハードボイルド風展開。確かに描写はしっかりしているし、読者を退屈させないスピーディな展開で読みやすいんですが、すごくいい出来ってほどでもありませんでした。☆★くらいか。

2012年2月21日 (火)

「Red Runaround」William Campbell Gault ☆☆☆★

「Black Mask, Mar 1948」掲載

 モーティマー・ジョーンズ・シリーズ第6作。
 ボクサーのトッドは金持ちのフィアンセを殺したとして有罪が確定し死刑執行が近づいていた。妹のジョーンは冤罪をはらしてくれとモーティに依頼する。この事件はモーティの不倶戴天の天敵で、足りない証拠をでっち上げることも辞さない刑事、デヴァインの担当した事件だった……
 いい出来です。事件の展開と決着そのものも十分読み応えがあるのですが、何よりもすごいのは、この作品のなかでシリーズ通しての憎まれ役デヴァイン警部との確執に決着がつくところ。ここまでシリーズを読み通してきた人間には感慨深いものがあります。
 ☆☆☆★くらいの価値はある佳作。ゴールト侮り難し。

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