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2016年9月

2016年9月25日 (日)

クレイグ・ライスの短篇

クレイグ・ライス短篇のリストを整理しました(コチラ )。
 
特に新しい情報があるわけではありませんので、悪しからず(^^;)。
 
クレイグ・ライスの短篇はほとんど翻訳済みですが、単行本は『マローン殺し』と『被告人、ウィザーズ&マローン』の2冊だけ。今回のリストの55作中16作に過ぎません。
『マローン殺し』には「マローン弁護士の事件簿〈1〉」とのサブタイトルがついているのですから、「〈2〉、まだ~~?」と待ち続けている方もかなりの数にのぼるのではないかと。
 
ライスの短篇は、その出来不出来以前に、あの独特の雰囲気に酔わされる部分が大きいと感じています。ですので、出来ることなら全作品を手元に置いておきたいというのがファン心理ではないでしょうか。
まだ39作残っているのですから、あと3冊はいけるはず。
「ライオンの檻に近寄るな」
Manhunt_195305
 
「最後に生き残った男」
Pursuit_195309_no1
 
ちなみに、マローンもの関する限りでは、現時点で本当に未訳といえるのは[ Dead Men Spend No Cash ]だけ。
[ Dead Men Spend No Cash ]掲載号
Suspect_detective_stories_195608
 
[ The Headless Hatbox ]は『わが王国は霊柩車』の原型中編、[ No Motive for Murder ]は『マローン御難』の原型中編なので、厳密には「未訳」と言い切れないかも知れないですが、長編化されるほど出来の良い中編なのですから、翻訳する価値はあるでしょう。
Double_action_detective_1956_no3
 
ライスの短篇は雑誌掲載のみで単行本に収録されていないものが多いので原テキストをそろえるには多少の困難がともなうかとも思うのですが、そこはそれ、当方にご相談くださればなんとかなりますので、版元様は是非ご一考下さいませす。

2016年9月17日 (土)

「American Murders」!!

「American Murders」のリストを整理しました(コチラ )。
 
…………ところで、「American Murders」って何?ww
 
「American Murders」……アメリカの著名犯罪を集めた犯罪実話本のタイトルかと思うところですよね。でも、ここ「海外短篇ミステリの話をしよう」では、全然別の特別な意味を持った言葉として使いたいと思います。
 
TVの出現によって日常生活がすっかり様変わりししまう前、映画やラジオと並んで、中流階級以上の市民の日常の娯楽の一角を、週刊/月刊のスリックマガジンが担っていたのだそうです。
現代を生きる人間が、毎週お気に入りのTVドラマを楽しみにしているように、週に一度、あるいは月に一度郵送されてくるスリックマガジンに掲載されている小説を待ち焦がれていたのだとか。

スリックマガジンといえば「The Saturday Evening Post」「Collier's」などが有名ですが、それらと同等かそれ以上の人気と歴史を誇った月刊誌に「The American Magazine」があります。1906年創刊の名門スリックマガジンだったのですが、残念なことに1956年に終刊を迎えてしまいました。

American_magazine01
 
American_magazine03
この「The American Magazine」は1930年代半ば頃から、読み切りのミステリ・ノヴェラを掲載するようになりました(ノヴェラってのは長めの中編、あるいは短めの長編のこと)。そのコーナータイトルは「The Month's American Mystery Novel」でした。

American_magazine02

1986年にジョン・L・ブリーンとリタ・A・ブリーンの共同編集で傑作集アンソロジーが出ました。そのタイトルが『American Murders』。巻頭でブリーンが詳細な解説を書き、巻末には情報量たっぷりの作品リストが付されていて、資料性も高い。

American_murders

この本のインパクトがあまりに強いので、「The Month's American Mystery Novel」のことを「American Murders」と呼ぶことにしようじゃないか、という次第。

はい、私の勝手な命名ですけど、何か?
 
スリックマガジンは他にもたくさんありますし、30年代~50年代(TV時代以前ということですね)は、どこのスリックマガジンも競い合うように様々な娯楽小説を掲載したものです。でも、ロマンス小説、冒険小説、ユーモア小説などさまざまなジャンルがある中で、「The Month's American Mystery Novel」(今月のミステリ長編!)と銘打って毎号ミステリ・ノヴェラを掲載していたのは「The American Magazine」だけ。
 
実は同時期、Pulp Magazineの世界でも毎号目玉となるノヴェラを掲載するミステリ誌は多かったのですが、そうは言ってもスリックとPulpの違いというのは、とてつもなく大きい。
なにしろ原稿料が全然違います。「a cent a word」なんて言いまして、Pulp Magazineの原稿料は最低レベルで1語1セント、最高額を誇った「Black Mask」で1語3セントでした。仮に1語2セントで20,000語のノヴェラを書いたとしたら原稿料は400ドル(1950年の1円=360レートで、消費者物価指数を勘案すると現在の100万円くらい……って、悪くはないじゃんww)なんですが、ブリーンの解説によると「The Month's American Mystery Novel」の原稿料は1作品につき3,500ドルから4,500ドというとこだったようです。10倍だ!(現在の日本円で……1000万以上!!! 乱歩賞かよ!ww)書き手の気合いも違ってくると言うものです。
 
今回作成したリストを見ていただけば分かるのですが、翻訳されているものだけをみても、ラインナップは豪華というしかない。ヒュー・ペンティコーストの「もの云う子牛」「マンハッタンの殺人」「明日は昨日」、パトリック・クェンティンの「ダイヤのジャック」「大晦日の殺人」「死はスキーにのって」、ヘレン・マクロイの「人生はいつも残酷」「外の暗闇」「ふたつの影」「人殺しは誰でもする」などなど、傑作中編として名高いものばかりです。「ミステリマガジン」の前身である「日本版EQMM」を読んでいた方なら、フィリップ・ワイリーやゴードン・ギャスキルの名前も懐かしいでしょう。そして、スタウトのネロ・ウルフものの中編は、「The American Magazine」が廃刊になるまで、ここでしか読めない看板シリーズでした。
 
未訳の作品では、クェンティンの[Passport for Murder]、[Death Freight]、[The Scarlet Box]あたりがまずは気になるところでしょうか(私(=米丸)は[The Scarlet Box]だけ既読です。イタリアを舞台にした観光ミステリなのですが、クエンティンらしい中身の濃い傑作!)。他にも、ティモシー・フラーの[The Second Visitor]は『ハーバード大学殺人事件』『ハーバード同窓会殺人事件』のジュピター・ジョーンズが活躍する唯一の中編です。この他、日本ではなじみの薄い作家も多いのですが、確実に楽しめる作品ばかりのはず。1作1000万円の原稿料は伊達じゃないはずですからw。
 
いずれにせよ、「ミステリマガジン」「別冊宝石」などに翻訳されたきりで埋もれてしまっている作品、まったく翻訳もされていない作品が山ほど残っているのです。
 
というわけで、
「American Murders」は宝の山(結論w)

2016年9月10日 (土)

 小鷹コレクションの現状(2016.9.10)

 
○電子化進行状況
 ・EQMM PDF化終了
 ・AHMM PDF化進行中
 ・Manhunt PDF化終了
 ・TSMM PDF化終了
 ・MSMM PDF化未着手
 ・マイナーなダイジェスト誌 PDF化終了
 
全てPDF化まで終了しました!
 
これから、このデータを活用する方法を考えていきたいと思います。

2016年9月 9日 (金)

パトリック・クェンティンの短篇

パトリック・クェンティンの短篇作品リストを整理しました(コチラ )。
 
クェンティンの短篇の多くは雑誌に掲載されたきりで単行本にまとめられてはいません。いや、それどころか、短篇作品に関しては情報も少なく、全貌はいまだ霧の中といった状態です。上記のリストは、現時点では最良のものだと思いますが、まだまだ埋もれた作品が眠っている可能性があります。
 
翻訳されている唯一の短編集『金庫と老婆』(The Ordeal of Mrs. Snow)を読んでおられるならばとっくにご存じのことでしょうが、クェンティンは短篇も抜群に面白い作家です。
悪意に満ちた、と言いたくなるほど冷酷な視点で人間の真実を暴き出す短篇群の切れ味はどうでしょう。そして、唯一の中編「金庫と老婆」は、金庫に閉じ込められた老婆が脱出できるかどうかを描いたヒッチコックばりのサスペンスの快作なのですが、実はその構造は、仮説がたてられ新証拠によって否定されるというステップが繰り返される典型的な多重解決ミステリと同じであり、中編の長さの中に長編5冊分くらいのアイデアが詰め込まれている中身の濃い作品で、パズラーファンも必読です。
 
ミステリマガジンや別冊宝石などで翻訳された中編・短篇も傑作・快作ばかりです。なかでも「ダイヤのジャック」「大晦日の殺人」「他人の毒薬」あたりは、なんとか入手して目を通されることをお勧めします。宣伝になってしまいますが、トラント警部補の活躍するショートショートを集めた「ティモシー・トラントの殺人捜査」やトラントとのデビュー中編「ミセス・ヴァン・ホーテンの秘密の仕事」も、密度の高いパズラーで、満足度は高いはず。我が翻訳道楽で現在も入手可能ですので是非。(翻訳道楽の作品リストはコチラ
 
いまだ翻訳されていない作品も、私が読み終えた「This Way Out」「The Wrong Envelope」「Passport for Murder」「The Scarlet Box」などの中編は出来が良いももばかりでした。既訳の中編同様「トライアル&エラー/多重解決」の構造に思いつく限りのアイデアをぶち込むというスタイルなのに、ここまでテイストの違うヴァリエーションが作れるのかと、感心させられてしまいます。どれもたっぷり楽しめたので、クエンティン掲載誌のコレクトにどっぷりとはまってしました。
本国でも、つい先頃、ダルース夫妻の登場する短篇を集めた『The Puzzles of Peter Duluth』という2冊目の短編集が刊行されましたが、まだまだ雑誌に掲載されただけで単行本に収録されていない作品が大量に埋もれているので、結局、掲載誌を入手するしかないのです。
現在、ようやく制覇率8割といったところ……。
 
余談になりますが、先日ようやく入手した「Hunt in the Dark」という中編はダルース夫妻ものでした。The FictionMags Indexの情報でも《Duluth》もの扱いされていませんし、『The Puzzles of Peter Duluth』にも収録されていません。現物を入手し、冒頭に目を通してようやくわかった事実です。こういうことがあるから、現物で確認しないといけません。ちなみに、結婚18ヶ月後で、戦争はまだ始まっておらず、2人でコニー・アイランドに遊びに来ている最中、との描写がありますので、新婚1年目という設定の「Murder with Flowers」(『人形パズル』の原型中編)より後、『悪女パズル』より前の事件ということになるようです。
 
ともあれ、この傑作群、なんとか翻訳紹介する機会が得られるとよいのですが。

2016年9月 8日 (木)

『被告人、ウィザーズ&マローン』販売

2014年に出た『被告人、ウィザーズ&マローン』ですが、献本用に大量にもらってありました。
(少ない印税を補填する意味合いもあったので、実質印税の現物支払いみたいなもの)
これがまだたっぷり残っているので、買っていただけると嬉しいです。
まだ新刊で入手できる本なので値引きはできませんが(版元に申し訳ない)、代わりに送料無料、豪華おまけ付きとさせていただきますので、是非。
 
『被告人、ウィザーズ&マローン』&おまけ 2,400円
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写真は見本です。表紙カバープリントは見本とは違うものになります。
 
・おまけ1 「翻訳道楽」ショートショート12編セット(翻訳道楽の定期購読用おまけとして頒布してきたもの。12編のタイトルはコチラ
・おまけ2 Pulpマガジン表紙カバープリント3点(Pulpマガジンの表紙のスキャンデータをカメラのキタムラでハガキサイズに焼いたもの。家庭用カラープリンタでの印刷よりも長持ちするはずです。どの号の表紙かは当方で選ばせてもらいます)
 
注文はYFA39148@nifty.com までメールにて、発送先の住所氏名を明記の上でお願いいたします。
 
ついでに、こちらもどうぞ。
 
『翻訳道楽既刊分フルセット』 5,000円
 
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(作品リストはコチラ
翻訳時には全て未訳だったのですが、その後単行本が出たりミステリマガジンに掲載されたりで、「未訳」ではなくなったしまったものもあるので、合計7,920円のところを5,000円とさせていただきます。定期購読用おまけのショートショートはセットに含まれませんのであしからず。
 
注文はYFA39148@nifty.com までメールにて、発送先の住所氏名を明記の上でお願いいたします。
 
『翻訳道楽』の個別の注文も随時受けつけてます。(既刊リストはコチラ
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宮澤洋司 (米丸@「翻訳道楽」)
みやざわ ひろし (よねまる)
メール:YFA39148@nifty.com(「翻訳道楽」専用)
アカウント:YONEMARU_HD
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