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2012年1月

2012年1月31日 (火)

「Murder for Mac」William Campbell Gault ☆☆

「Black Mask, Mar 1947」掲載

 モーティマー・ジョーンズ・シリーズ第3作。
 マックの店で昼飯を食べているモーティマー・ジョーンズを、赤毛の若い女が訪ねて来る。仕事の依頼の相談が済んで女が立ち去ると、マックが「あれはいい娘だな」などとらしくない感想をもらす……てな出だし。
 このタイトルは、マックのお気に入りの女が事件の主要人物になるから、ということらしい。実はマックは事件そのものには何の関わりもないのだから、狙ってるなー、って感じのタイトルですね(^^;)。プロットはかなり単純で、犯人は最初からわかっているようなものなのだけれど、登場人物がどれも微妙な陰影まで丁寧に描かれているので、読んでいてとても充実感があります。ことにレギュラー陣(マック、デヴァイン、署長など)の出番が多いのがこの作品の特徴か。

2012年1月30日 (月)

[PULP] Black Mask, Nov 1941

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Stewart Stering [ DON'T BURY ME AT ALL ]("Special Squad")
W. T. Ballard [ MURDER IS A SWELL IDEA ](Bill Lennox)
Peter Paige [ PICTURE ME DEAD! ]
George Harmon Coxe [ KILLERS ARE CAMERA-SHY (Part III)](Flashgun Casey)
G. T. Fleming-Roberts [ INVITATION TO MURDER ]

 全部で5編と数は少ないですが、オールスター・ラインナップです。一番マイナーなのはPeter Paigeなんだから、すごい。この中ではG. T. Fleming-RobertsがKen White時代になって掲載されるようになったニューフェイスですね。対して、W. T. BallardとGeorge Harmon CoxeはShaw時代から書き続けているベテラン。日本でもそこそこ名を知られているのはGeorge Harmon Coxeくらいのものですが、他の4人もひけをとらない達者な職人作家ばかりです。この五人の作品ならつまらないものはないはずってくらい、レベルの高い号ですね。
 というわけで、実は逆にこれが一番という目玉を選ぶのに困ってしまいます。長篇分載の最終回であるGeorge Harmon Coxe [ KILLERS ARE CAMERA-SHY (Part III)] は避けるとして……うーん、個人的な趣味でW. T. Ballard [ MURDER IS A SWELL IDEA ](Bill Lennox)にしておきますかね。

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2012年1月27日 (金)

[PULP] Black Mask, Jul 1940

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D. L. Champion [ DEATH STOPS PAYMENT ](Rex Sackler)
Jim Kjelgaard [ SO SKULKS THE WEASEL ]
I. B. Hazelton [ WHAT'S WRONG WITH THIS FAMOUS CRIME? ]
Cleve F. Adams [ THE KEY ](Canavan and Kleinachmidt)
Peter Paige [ ...AND GOD WON'T TELL ]
Edward S. Williams [ SOMEDAY I'LL KILL YOU ]
Russell Bender [ COPPER'S MOLL ]
Dale Clark [ RHYMES WITH CRIMES ]

 1940年6月号より版元がPopular Publications社(「Dime Detective」の版元)に変わっています。同時に編集長もKen Whiteに変わりました。この号はKen White編集になってから2号目。
 D. L. Championの [ DEATH STOPS PAYMENT ] には目次で「Intraducing Rex Sackler....」とあります。この作品がChampionの「Black Mask」初登場であり、Rex Sacklerのデビュー作なわけですね。Championは「Dime Detective」でInspector Allhoffシリーズという、ちょっと他に例を見ないような独特の悪意に満ちたユーモアミステリを書いて看板作家の一人になっていました。「Black Mask」に移る前は「Dime Detective」の編集に携わっていたKen Whiteが、誌面刷新/梃子入れのためにChampionに新シリーズを書かせたのでしょう。Rex Sacklerは「Prince of Penny-Pinchers」と呼ばれる金の亡者、という設定です。今号の作品には「Payment」という単語が使われていますが、この後も必ずタイトルで「money」だの「fee」だの「cash」だのと金に関係のある単語を使われています。
 てなわけで、D. L. Champion [ DEATH STOPS PAYMENT ](Rex Sackler)がこの号の目玉です。
 他にもCleve F. Adams、Peter Paige、Dale Clarkあたりは読むのが楽しみな作家ですね。

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2012年1月25日 (水)

[PULP] Black Mask, Mar 1940

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Frank Gruber [ WORDS AND MUSIC ](Oliver Quade)
Roger Torrey [ BLACK AND WHITE ]
Peter Paige [ COUNTERFEIT CITIZEN ]
John Hawkins [ THE MERCY SH0T ]
Wyatt Blaesingame [ MURDER IS BAD LUCK ]
Frederick C. Davis [ BLIND WITNESS ]
Baynard Kendrick [ A SORT-CUT TO MURDER ](Stan Rice)
Maurice Beam [ THE FIXER ]

 表紙欠本。カバーはこんな感じ(cover)。なんかこの女の人怖いなぁ(^^;)。
 Ellsworth女史が編集長だったのは1940年4月号までなので、これはEllsworth時代の最後から一号前。編集長の交代は「Black Mask」がPopular Publications社(「Dime Detective」の版元)に買い取られたからです。ですからこの号の頃はかなり経営が苦しかったのではないかと推測されますね。
 Frank Gruberの [ WORDS AND MUSIC ](Oliver Quade)は「ソング・ライターの死」として翻訳されているので目玉にはしませんが、やっぱり個人的にはこれが一番気になります。このシリーズはこれが最後。Gruber はEllsworth女史によって「Black Mask」に掲載されるようになり、Ellsworth女史の退場と共に「Black Mask」と縁を切った作家です。Gruberの自伝を読んでもEllsworth女史のことをべた褒めしています。この二人の関係には、ちょっとChandlerとShawの関係を彷彿とさせるところがあります。
 で、次に気を惹かれるのがBaynard Kendrick [ A SORT-CUT TO MURDER ](Stan Rice)なんで、今号はこれが目玉。
 ほかにもRoger Torrey、Peter Paige、Wyatt Blaesingame、Frederick C. Davisとそれなりのビッグネームが並んでますね。

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2012年1月24日 (火)

「The Cold, Cold Ground」William Campbell Gault ☆★

「Black Mask, Jan 1947」掲載

 モーティマー・ジョーンズ・シリーズ第2作。
 親戚の娘が行方不明になった。何があったのか調べて欲しい、というのが裕福なオールドミスの依頼だった。この娘はコメディアンで暗黒街の大物が経営するクラブに出演していた……てな話。
 ジョーンズの語りが、Pulp期のハードボイルドよりもネオ・ハードボイルド期以降の繊細な感じに近くて、面白い。スポーツに関する言及が多いのは、スポーツライター出身でスポーツ小説作家でもあったこの著者らしい。うまく書かれているので読んでいて退屈はしないけれど、プロットが弱くミステリとしての出来はいまいち。このシリーズの中では一番弱い作品かも。

2012年1月23日 (月)

[PULP] Black Mask, Feb 1940

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Peter Paige [ BLACKOUT! ]
Maurice Beam [ THE WHITE LIE ]
Roger Torrey [ MURDER FOR YOUR MONEY ](Marge and McCarthy)
William Tanquery [ GETTING MAIZIE ]
Baynard Kendrick [ FISHERMAN'S LUCK ](Stan Rice)
H. F. Howard [ THE CORPSE TAKES A WIFE ]
H. W. Guernsey [ THE LAST PIN ]

 表紙欠本。カバーはこんな感じ(cover)。
 一番の目玉はBaynard Kendrick [ FISHERMAN'S LUCK ](Stan Rice)ですかね。
 Peter Paigeはこの頃からPopular Publications社の各誌(「Black Mask」「Dime Detective」など)に頻繁に顔を出すようになった新顔です。
 Roger Torreyはベテランだけど、ちょいと仕事の荒っぽい作家。
 あとの作家はよく知らない名前ばかりだなぁ(^^;)。

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2012年1月20日 (金)

[PULP] Black Mask, Oct 1939

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Dwight V. Babcock [ MURDER ON THE GAYWAY ]
Cornell Wroolrich [ COLLARED ]
Roger Torrey [ KILL THAT WITNESS ](Marge and McCarthy)
C. S. Montanye [ MORON'S HOLIDAY ]
Mark Harper [ DEATH RIDES DOUBLE ]
Tiah Devitt [ THE HAUNTED INN ]
Fred Hodgkins [ STRANGLE-HOLD ]
William Cole [ WAITING FOR RUSTY ]

 表紙欠本。カバーはこんな感じ(cover)。
 Cornell Wroolrich [ COLLARED ] は「死の接吻」あるいは「カラーに口紅」というタイトルで翻訳されている作品。
 既訳作品は避けるということで、これをはずすと、どれを目玉にしようかちょっと困ってしまいますね。僕的に一番気になるのはDwight V. Babcockかな。
 Mark Harperは前代編集長のShawが小説を書くときに使っていたペンネーム。編集者としてはともかく、小説家としてはちょっとね、という人なので、期待はできません。
 Roger Torreyはそこらじゅうに大量に書きまくったPulp界の大物の一人ではあるのですが、いかんせん、いかにも書き殴り/書きっぱなしだなぁ、という感じさせられてしまういいかげんな作品が多い人なんで、これも期待できません。
 Tiah Devitt は評判のいい作家なのでちょっと気になるかな。でも僕はまだ未読の作家ですので実力のほどは未知です。
 やはりDwight V. Babcock [ MURDER ON THE GAYWAY ] を目玉にしておきましょう。

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2012年1月19日 (木)

「翻訳道楽」001~052 5000円にてセット販売いたします。

終了いたしました

(2月1日以降は普通価格、付録なしとさせていただきます)

【期間限定】1月31日まで

 訳あって、既訳分の「翻訳道楽」001~052のセットで販売することにいたしました。(「翻訳道楽」についてはコチラ)(それとコチラも)

別々にご注文いただくよりも格安の価格を設定してあります。
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また、今回は定期購読サービス用のショートショートも全部お付けします。

(詳しくはセット内容一覧をご覧ください)

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不景気でしんどいのはいずこも同じ、と思いますが、翻訳ミステリに興味のある方なら、決して損はしないと自負しておりますので、この機会に買ってやってくださいませ。

※できるだけ速やかに発送いたしますが、仕事の合間に行いますので、到着まで一週間くらいかかるものとお考えください。

振り込み先を記した明細を同封いたしますので、冊子の到着を確認いただいた後で料金をお振り込みください。

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セットの中身についてはセット内容一覧をご参考ください

【期間限定】1月31日まで
(2月1日以降は正常価格、付録なしとさせていただきます)

2012年1月18日 (水)

[PULP] Black Mask, Sep 1939

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Erle Stanley Gardner [ DARK ALLEYS ](Ed Jenkins)
Barnard Kendrick [ HEADLESS ANGEL ](Stan Rice)
John Lawrence [ DEATH TO SPARE ]
Cornell Woolrich [ CRIME BY THE FORELOCK ]
Bill Gerry [ AUTOPSIES TELL ]

 目玉はErle Stanley Gardner [ DARK ALLEYS ](Ed Jenkins)でしょう。
 Cornell Woolrichの [ CRIME BY THE FORELOCK ] は「前髪の罠」というタイトルで翻訳されています。
 私的にはBarnard Kendrick [ HEADLESS ANGEL ](Stan Rice)とJohn Lawrence [ DEATH TO SPARE ] も注目作品ですが、さすがにGardnerには敵いますまい。

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2012年1月17日 (火)

「Hot-House Homicide」William Campbell Gault ☆☆

「Black Mask, Sep 1946」掲載

 ウィリアム・キャンベル・ゴールトは長編が一篇翻訳され、「マンハント」などに短編が何篇も翻訳されていますので、日本でもそこそこメジャーな作家と言えるでしょう。Pulp末期にデビューした作家のため、Pulp誌に掲載された作品数は多くはないのですが、「Black Mask」に作品が掲載されるときには必ず表紙に大きく扱われていたところなどにも、その評価の高さが伺われます。Pulp終焉以後は、ハードカバーで数多くの本を出しています。本国ではスポーツ小説の作家としての名声の方が高いようで、ABEやeBayで検索するとミステリ作品よりもむしろカーレースやアメフトを扱ったスポーツ小説の方が多く見つかります。
 「Black Mask」には私立探偵モーティマー・ジョーンズが活躍するシリーズを6篇書きました。モーティマー・ジョーンズ(通称モーティ)はデューゼンバーグなどという贅沢なスポーツカーを乗り回しています(実は貧乏なくせに、なけなしの金で入手した身分不相応な車)。これが目を惹く設定であるため、外見的特徴ばかりが語られ気味なのですが、実は元刑事という背景を生かしたシリーズ構成がとてもうまく生かされた好シリーズです。刑事をやめる原因となったのが、元上役で憎まれ役のデヴァイン警部との確執なのですが、このデヴァインがあちらこちらでからんできて、シリーズにわさびを利かせてくれています。最終作「RED RUNAROUND」でデヴァインとの確執に決着がつくのですが、その着地点などはなかなか見事で、シリーズを通して読んだ者には感慨深いものがあります。
 個々の作品も、キャラクターの微妙な陰影、感情の綾まで丁寧に描きわける繊細な描写力でうならせ、しかもそれがプロットを引き立たせているというレベルの高さ。
 まとめて紹介が必要な連作だと思います。そのうち「翻訳道楽」で翻訳しますね……っていうか、注文さえあれば今すぐにでも喜んで翻訳するのですが……
 さて、これはモーティマー・ジョーンズのデビュー作品。
 金満家が自分より遥かに若い妻の素行調査を依頼してくる。元歌姫の妻は、前科者の若いピアニストの才能を惜しみ、援助しようとしていただけだった。依頼は無事完了したはずなのだが、モーティが手助けを頼んだ探偵仲間が殺される……てな話です。
 事件の展開そのものは典型的なハードボイルドのクリシェなんだけど、登場人物たちが活き活きと描かれているのでとても面白い。モーティマーのアパートの描写が詳しかったり、デュージー(デューゼンバーグのこと。車は「She」なんですよね)に関する描写が多くてプロットにも生かされているあたりに、シリーズ第1作なんだなぁという感じが漂っています。お馴染みのレギュラーたち(憎まれ役のデヴァイン警部、警官時代のモーティに目をかけてくれていた署長など)も登場。きっちり描かれています。

2012年1月16日 (月)

[PULP] Black Mask, Aug 1939

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Frederick C. Davis [ ALL ROADS CLOSED ]
Mindret Lord [ THE TATTOOED TRAMP ]
Edward S. Williams [ BLOODY ANSWER ]
Cornell Woolrich [ MEN MUST DIE ]
Roger Torrey [ HAY TIME ](Marge and McCarthy)
Lawrence Treat [ SWAMPERS' GOLD ]

 表紙欠本。カバーはこんな感じ(cover)。
 Cornell Woolrich [ MEN MUST DIE ] が掲載された号ですね。これ邦題は「ぎろちん」です。Woolrichを重用したのもEllsworth女史時代の特徴の一つです。女史には「ハードボイルド」へのこだわりは全然なかったみたいですね。

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2012年1月13日 (金)

[PULP] Black Mask, Mar 1939

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Dwight V. Babcock [ RENEGADE IN RENO ]
Erle Stanley Gardner [ TAKE IT OR LEAVE IT ](Pete Wennick)
Elmer E. Meadows [ ALIAS MR. FATE ]
H. H. Stinson [ YOU GOTTA LIVE RIGHT ]
Frank Gruber [ THE SAD SERBIAN ]
William Brandon [ SWING LOW, SWEET CHARIOT ]
Kenneth A. Fowler [ ESCAPE ]

 Erle Stanley Gardner [ TAKE IT OR LEAVE IT ](Pete Wennick)は「のるか、そるか」という題で邦訳があります。
 Frank Gruber [ THE SAD SERBIAN ] は残念ながらOliver Quadeものではない模様。
 Dwight V. Babcock、H. H. Stinson は中堅のいい作家たちですが、目玉とするには弱いかな。

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2012年1月12日 (木)

「The Corpse Exchange」Day Keene ☆☆★

「Detective Tales, Dec 1943」掲載

 私立探偵マット・マーサーの活躍するシリーズの一作です。
 海兵あがりの私立探偵マット・マーサーが目覚めてみると、そこは見知らぬホテルの部屋で、同じベッドに美女の死体。罠だ! 何とか誰にも気づかれずに抜け出し、オフィスに戻ったマーサーのもとに、生死不明で未だに帰還していない海兵仲間の妻が訪れて、何も聞かずに3,000ドルを貸してくれと言う。何とか説得して話が聞き出せそうになったとき、オフィスのドアの隙間から発射された銃弾で戦友の妻は射殺されてしまう……てな出だしで、息つく暇もないノンストップで話は展開。とても面白い。
 マットは妻帯者で双子の子供もいる。そして、ちょっぴり恐妻家……っていうか奥さん気性激しい(^^;)! 事件を担当する警部(たぶんレギュラーなんだろうな)は有能で、マットには好意的。この警部にベッドの美女の件がばれたら……というスリルで盛り上げ、ばれると今度は逃亡劇で盛り上がり、しかもマットの奥さんまで狙われるという展開でサービス過剰なくらい。どれもちゃんと書けていて、キーンはうまいなぁと思わされます。
 犯人もお約束通りに意外で、しかも核となる犯罪がユニークで面白い。ただ、マットがいささか単細胞なくらいに喧嘩っ早すぎるのが難かも、です。とはいえ、マットもタフなだけが取り柄のバカ探偵ではなく、結構有能なので、まあ許せる範囲かと。☆☆★はいけるな。トム・ドイル物も面白かったし、デイ・キーンのシリーズ物は買いかな?

2012年1月11日 (水)

「翻訳道楽」ショップの注文に関して(お詫び)

 申し訳ありません。

 昨年12月より、当方の不手際によりメールの受送信に使用していたメインマシンでシステムが不具合を起こしたため、メールでの連絡が十分に取れない状況が続いておりました。
 最近ようやくマシンの復旧が安定してきたようなのですが、この間にご注文いただいた分が、メールデータを失ってしまい、当方まで届いていない物がある可能性があります。

 もしこの頃にご注文いただいて、まだ品物が届いていないようでしたら、ご面倒で申し訳ないのですが、VZJ05124@nifty.com 宛でメールにてご連絡いただくか、このブログにコメントいただくなどの方法でご連絡くださいませ。

 重ねて、不手際のお詫び申し上げます。

[PULP] Black Mask, Dec 1938

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Frederick C. Davis [ STOP THE PRESSES ]
Hugh B. Cave [ SMOKE IN YOUR EYES ]
Donald Wandrei [ C0ME CLEAN ]
Dwight V. Babcock [ CARELESS KILLER ]
Rogear Torrey [ CONCEALED WEAPON ](Marge and McCarthy)
Allen Beck [ LONG LIVE THE DEAD ]
M. P. Hall [ AD LIB ]

 表紙欠本。カバーはこんな感じ(cover)。
 顔ぶれがShaw時代とはかなり違っています。まあ、Rogear Torreyあたりは古株ではあるのですが、一流とは言い難い作家なので。
 ちょっと地味目のラインナップなんですが、あえて目玉をあげるならHugh B. Cave [ SMOKE IN YOUR EYES ] かなぁ。

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2012年1月10日 (火)

「The Farmer's Daughter Murders」Day Keene ☆☆★

「Detective Tales, Oct 1944」掲載

 デイ・キーンは非シリーズ物がメインの作家なのですが、それでも大量の作品群の中には少なからぬ量のシリーズ探偵ものがあります。これはそのひとつ私立探偵トム・ドイルを主役とするシリーズの一作。僕が贔屓にしている古書店主が「デイ・キーンのベストのシリーズ」と褒めていたので読んでみました。
 お話は……マクドナルド老人は昔勘当して追い出した娘の忘れ形見の孫娘を見つけて欲しいと言った。こんな事件にはあまり乗り気になれないドイルも、「マクドナルドの件には手を出すな」との脅しを受けて俄然やる気になる。娘とその子供のことを覚えていた人物がドイルの眼前で殺されて……てな話。
 テンポよく話が進む、読み心地のよいまっとうな私立探偵小説です。なかなか気の利いた意外な展開も待っています。面白くするためにちょっと話が複雑になりすぎているきらいもあるが、ま、許容範囲でしょう。
 トム・ドイルは典型的なタフガイ私立探偵なのですが、新婚ホヤホヤで美人の奥さんに頭があがらないというところが面白い。
 楽しく読めました。☆☆★

2012年1月 9日 (月)

[PULP] Black Mask, Apr 1937

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Theodore Tinsley [ MANHATTAN WHIRLIGIG ](Jerry Tracy)
John K. Butler [ 1 KILLED A GUY ]
Baynard H. Kendrick [ WHITE BIRDS ](Stan Rice)
W. T. Ballard [ STONES OF DEATH ]
Nels Leroy Jorgensen [ DEATH DRINKS CHAMPAGNE ](Black Burton)
Livingston Gibsort [ TRAFFIC LIGHT ]
Hugh B. Cave [ SHADOW ]

 表紙左側が色帯になっていますね。これはFanny Ellsworth女史が編集長だった時代の印です。市場価格ではShaw編集長時代のものの方が遙かに高額ですが、私はこの時期の「Black Mask」好きですね。
 この号のラインナップを見ると、Tinsley、Ballard、JorgensenはShaw編集長時代(ということはつまりハードボイルド創生期)を支えたのベテラン作家たち。Butler、Kendrick、CaveはEllsworth女史時代になって重用されるようになった新顔たち、という感じです。
 私的にはJohn K. Butler [ 1 KILLED A GUY ] が一番の目玉かな。
 Baynard H. Kendrick [ WHITE BIRDS ](Stan Rice)も気になる作品です。それとHugh B. Caveも……って、新顔ばっかりなんですが、ま、その辺が私の好みってことで(^^;)。
 どうも創生期のまっすぐ過ぎるハードボイルドよりも、成熟期>爛熟期>崩壊期のひねくれた作品の方が心が動くんですよ。

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2012年1月 6日 (金)

[PULP] Black Mask, Feb 1936

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Frederick Nebel [ NO HARD FEELINGS ](Kennedy and MacBride)
Theodore A. Tinsley [ BODY SNATCHER ](Jerry Tracy)
George Harmon Coxe [ PORTRAIT OF MURDER ](“Flashgun” Casey)
Dwight V. Babcock [ RAT BAIT ]
Nels LeRoy Jorgensen [ SHYLOCK IS MURDERED ](Black Burton)

 表紙欠本。カバーはこんな感じ(cover)。
 さあて、どれを「一番の目玉」に選びましょうか。
 Frederick Nebelの [ NO HARD FEELINGS ](Kennedy and MacBride)が未訳だったら迷わず選ぶところなのですが、これは「ボストンから来た女」として翻訳のある作品です。
 まあ、どうしてもNebelを選びたいのは、僕の個人的な好みの問題だったりもしますので、TinsleyだってCoxeだって、役不足ということはありません。BabcockやJorgensenもいい作家だ。穴のない充実した号ですよ、これは。
 うーん、でもやっぱりFrederick Nebel [ NO HARD FEELINGS ] を目玉ってことにしておきましょう。お気に入りのKennedy and MacBrideシリーズの中でも出来のいい作品なんですよ、これは。

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2012年1月 5日 (木)

「The Female Is More Deadly」Day Keene ☆☆★

「Dime Detective, Dec 1943」掲載

 依頼人の老婦人は高名な元判事の妹だった。彼女は、この元判事の兄に40年前に恋人を殺されたのだと主張し、その40年前の事件を調査しろという。折しも、この依頼人の老婦人の財産管理能力を問う裁判が始まろうとしていた。果たして老婦人は狂っているのか、それとも本当に判事は40年前に人殺しをしたのか……てな話。
 私立探偵が主人公ですが、シリーズ物ではありません。主役が私立探偵ヒーローの定形の範疇におさまるキャラとして描写されているのは、キーンらしくはないかも。でも、描写力という地力がしっかりしている作家なので、こういうのもしっかり書けてしまうんですねぇ。
 40年前の事件が一応解決する時点でまだかなり頁があまっているのでどうなるのかと思っていると、あっと驚く予想外の展開。あんまりに予想外すぎて、ちょっとつじつまが合っていないような気もするし、そこまでのトーンとあまりに違うんで、作品のバランスを崩してしまっているとも思うんですが、それでもこれはこれで結構面白いです。ただ、どうせならもっとトンデモな展開にして、老婦人の怖さを出した方がもっと面白くなるかも、とは思いましたが。☆☆★。

2012年1月 4日 (水)

[PULP] Black Mask, Jan 1934

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Erle Stanley Gardner [ A Guest of the House ](Ed Jenkins)
Roger Torrey [ Private War ]
Donald Barr Chidsey [ Let Me Tell It ]
Raul Whitfield [ High Murder ]
W. T. Ballard [ Trouble-Huntes ]
Dwight B. Babcock [ After Bottom of Every Mess ]
William Rollins, Jr. [ Stars and Bullets ]
Sam Powell [ Smoke Out ]

 表紙欠本。カバーはこんな感じ(cover)。
 一番の目玉はやっぱりErle Stanley Gardner [ A Guest of the House ](Ed Jenkins)ですかね。
 でも他の作家も豪華な顔ぶれ。日本ではRaul Whitfieldくらいしか知られていないと思いますが、Roger Torrey、Donald Barr Chidsey、W. T. Ballard、Dwight B. Babcockと、みんなひけをとらない大物ばかりなんです。

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2012年1月 3日 (火)

「Lie Down-You're Dead!」Day Keene ☆

「Dime Detective, Feb 1943」掲載

 お人好しのせいで悪事に巻き込まれ、監察処分を受け、今は大きな工場の門前の食堂の主人となっている主人公。その悪事の張本人が脱獄し、裁判時に決定的証人となった主人公に復讐しにやってくる……てな話。まあ、普通にサスペンスフルで面白い。美人ヒロインも登場するけど、型どおりであまり記憶に残らない。主人公の友人の小心そうな門番の老人がおいしいところをもっていく。悪党の容赦のない悪人ぶりにキーンらしさを感じるか。☆。

2012年1月 2日 (月)

[PULP] Black Mask, Dec 1932

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Frederick Nebel [ RED PAVEMENT ](Donahue)
Theodore A. Tinsley [ PARK AVENUE ITEM ](Jerry Tracy)
Erle Stanley Gardner [ THE TOP COMES OFF ](Ken Corning)
Paul Cain [ RED 71 ]
Eugene Cunningham [ PASSING THROUGH ]
Carroll John Daly [ MERGER WITH DEATH ](Race Williams)
L. W. Claflin [ THUNDER IN THE DARKNESS ]

 「白いBlack Mask」。
 Erle Stanley Gardnerは「地獄の扉を打ち破れ」、Paul Cainは「クラブ 〈レッド71〉」として翻訳されています。
 私的には目玉はFrederick Nebel [ RED PAVEMENT ](Donahue)。Nebelはひいきの作家ですので。
 でもTheodore A. Tinsley [ PARK AVENUE ITEM ](Jerry Tracy)も僅差で次点です。
 Carroll John Daly [ MERGER WITH DEATH ](Race Williams)はどうでもいい、っていうか、きっと読みません(^^;)。

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